とりあえずこのグラフ見て(クリックで拡大できます)
そもそも、晋江文学城の作品でBLの占める割合が多い年でも35%で、おおむね30%以下である。人気のある作品はBLが多いものの、作品数で言えば男女の恋愛物の方が多いです。
投稿数が激減したり作品が消えたのは何かがあった*1くらいのぼんやりした認識でお願いします。
本題の仙侠小説の投稿数グラフです
(クリックで拡大できます)
2003年の作品数2wwwwwwwww
前の記事で書いた通り2000年代前半~半ばまでに、男性読者想定の仙侠物小説は現在につながる作品が多数存在してました。女性向けは男性読者想定の仙侠小説よりもかなり出遅れていることが分かります。
実は全体に占める割合も出したんですが、とても小さい数字だったので、省略しました。*2
そして、このグラフから2008年ごろから急激に増えていることが読み取れます。
この表を見ての通り2007年に『誅仙』のオンラインゲームが配信開始となっていて、当時の多数の証言*3からも女性にとても人気があったようで『誅仙のゲーム』が女性向けの仙侠物のもとになった事は間違いなさそうです。
前の記事の誅仙のところで書いたように、誅仙の影響よりも、他作品の影響が薄い感じがしたのも、『誅仙のゲーム』からの流れだからであると考えれば納得できます。
これはゲームから入ることが悪いと言っているのではなく、入り口は何でもいいのです。例えば吸血鬼物であれば、入り口は映画の『吸血鬼ドラキュラ』でなくても『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』『トワイライト』『ブレイド』『ヴァンパイアハンターリンカーン』どれであってもいいし、これらの原作を読んだ方がいいけれども別に読まなくてもいいことと同じなのです。*4
それに加えて、『誅仙』の原作は金庸の影響が強い作風で、金庸の武侠物に親しんだ人であればすんなり入っていける内容なので、実際に連載当時から起点の中でも女性読者の多い作品であったことから、『誅仙』原作から影響を受けた作品もあるだろうと推測できます。ただ、起点で連載すればいいので、わざわざ晋江で連載するかどうかはちょっと分からないです。
また、ここからは完全に憶測なのですが、他の作品の影響が薄い感じがするもう一つの理由として、2008年当時流行っていたのが『凡人修仙伝』であったことが関連していると考えています。前の記事の『凡人修仙伝』のところで女性向けの同人人気が全くない作風であることに触れました。この『凡人修仙伝』の流行は本当にすさまじかったようで、男性読者想定の小説は『凡人修仙伝』に倣った凡人流であふれていて、2008年頃から数年は男性読者と女性読者の好みがかなり乖離していたと考えられます。*5
2008年の増加以降は、女性向け作品内での相互発展と、『修真流』や『洪荒流』のエッセンスを取り入れていったようです。2020年以降の伸びは書かなくても分かると思います。
最後に、今回の内容とはあまり関係ありませんが、晋江文学城は統計取りやすいので、何か調べものしたい場合はおすすめです。
今回のデーターを参考にしてもかまいませんが、実は一部数字を間違っていて、割合で0.05%くらいの極小さい数字だったために放置しています。晋江文学城は会員でないと検索できなものもあるため、正確なデーターを取りたい場合は、晋江文学城の会員となった方がいいと思います。
実は、女性向けネット小説サイトはいくつかあって、閲文集団*6旗下のサイトは調べ辛い、他には海棠文学*7という所もあるんですが、日本からアクセスできないのか何かがあってアクセスが困難になっているのかで、調べようがありませんでした。*8
おまけ。せっかく作ったので
たぶん作品が一部ダブっていたりするタグ仙侠修真を調べたグラフ(クリックで拡大)
一時期仙侠タグを越えていたりする。何でだろうね
おまけのおまけ
武侠タグのグラフ(クリックで拡大)
楊逍おじさんの事が書きたかっただけ*9
2010年までは仙侠よりも多かったのね
金庸同人、倚天屠龍記の同人の歴史を変えた楊逍おじさんの登場するドラマはこれ!