中国のアニメの感想を書くブログ

中国のアニメの感想を書いています

2023年までのアニメでおすすめの仙侠物四選~

基本的に初心者向けの作品を選びました。
上から順に見るといいと思う。
※すべて中国語のみです。英語字幕のついているものもあり。もしかしたら機械翻訳の日本語字幕あるかもしれない。

あと、ここでは正道、正派をまとめて「正道」、魔道、魔教、聖教などをまとめて「魔道」と表記します。

 

誅仙

テンセントで配信中、公式YouTubeで日本からでも見られる

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原作は蕭鼎(2002年)、アニメは2022年、2024年4月より二期配信
仙侠物の基本として押さえておくべき作品である。
この作品についてはドラマ版(青雲志)とアニメ版、双方に良い所と欠点があるため、アニメだけをオススメできない。できれば原作を読んだ方がいい。
現代の仙侠物へ大きな影響を与えた作品で、特に女性向けの仙侠物は誅仙のゲームの影響下にある。以前の記事参考

晋江文学城で見る仙侠物の女性向けでの流行はいつからで何が切っ掛けだったのか - 中国のアニメの感想を書くブログ

主人公は容姿も能力も平凡な少年。住んでいた村が何者かに襲われて、主人公と幼馴染と村のおじさんの3人だけが助かったため、近隣の仙人たちが主人公と幼馴染を預かって修仙の道を歩ませるところから物語は始まる。

魔道指数
アニメ一期★★
二期ではもう少し上がりそう。
魔道側にやや被差別民的な容姿の者がいる程度で、正道と魔道での人物の見掛け上の差はあまりない。女性の服装がちょっとセクシーなくらいだ。
魔道側が市中に紛れていても違和感はない。
魔道であっても人間らしい心の動きや、助け合いが見られる。

 

凡人修仙伝

ビリビリ動画にて配信中

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原作は忘語(2007年or2008年)、アニメは2020年からずっと更新中
凡人流の開祖であり、なおかつ、凡人流から最も離れた作品でもある。
凡人修仙伝は約10年ほど男性向けの仙侠物だけでなく、他のジャンルにも強い影響を与えている。
主人公は平凡な貧農の少年。生きていくために修仙の道へ進むことになる。
原作では容姿も平凡なんだけれども、アニメの主人公は明らかに美男子。しかし、やや小柄にすることでなんとなく普通っぽい雰囲気を出している。
魔道指数
天南篇★★★
正道と魔道が分かれたばかりのため、見た目には差がない。魔道がよく正道に潜んでいる。夫婦や恋人同士が正と魔で別れてしまった者もいる。
人間らしい感情で動く人が多い気がする。
乱星海編★★★★★
正魔で別れて時間が経っている。ちょっと魔道側の人は街に買い物へ行けなさそうな感じになっている。
ただ、妖族が侵攻してきているため、人間同士で争っている場合じゃないので、なんとか正道と魔道で手を組もうとしている。
しかし、サムネにした極陰老祖とかどう考えても仲良くできなさそう。
一応、魔道の人もちゃんとした挨拶くらいはできる。

 

仙逆


テンセントで配信中、公式YouTubeで日本からでも見られる

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原作は耳根(2009年)、アニメは2023年からずっと更新中
凡人流のど真ん中を行く作品。
正道も魔道もクソ
凡人流らしく主人公は平凡な少年と言いたいところなんだけど、父が事業に失敗したために落ちぶれているだけで、本来は田舎にしては良い家の出で、元々は科挙(?)か何かを受けようとする程度にはインテリのよう。
容姿は平凡であっても、賢く意志が強く寡黙なタイプである。
アニメではどう見ても美男子で、声と佇まいがとても良いためかとても人気が出た。
あと、ヒロインがすごく可愛い。*1
魔道指数★★★★★★★★★★
星は10でマックスだよ!
正道と魔道に見た目の差はない。あえて違いを言うと、魔道側の人は挨拶もせずにぶっ殺しに来るのが多い。
そもそも、正道側の人間もどう考えても魔道なのでは?というくらいヤベー奴がたくさん登場するので、基本的には区別がつかないと思っていい。
他人の体乗っ取ったり*2は日常茶飯事で、ネクロマンサーが棺桶引きずりながら普通に街でお買い物しているよ!
「まだ死んでなかったか!このクソジジイ!!」というジジイ同士の挨拶が、冗談ではなく本気である。
あまりに治安が悪いので、「死」「滅」とつぶやくだけで弱い奴ならは即死するという技のことを、主人公は魔道だと思っていなかったくらいだ。
主人公が魔道に堕ちた際も全くノリが変わらないので、魔道までの道がとてもシームレス。
最近登場したジジイは初対面で主人公に(主人公がよく知らない奴の)死体を投げつけながら「こうなりたくなかったら、ワシに付いてこい」という素敵な挨拶をしてきた。
あのジジイと仲良くなるなんてウソだろう……(仲良くなる)

 

永生

ビリビリ動画にて配信中

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原作は夢入神機(2012年)、アニメは2022年から1年に1クール更新、2024年4月19日より三期配信予定
この作品は分類上は中国ファンタジーなんだけれども、内容は仙侠物と言って差し支えないのでおすすめとして入れました。
原作者の夢入神機は仙侠物で人気の作家で、洪荒流の開祖の一人としてとても有名。
こちらも仙逆と同じく正道の人間もクソである。
仙逆の方は関わらなければ一般人は一生無関係でいられる感じがするのに、永世は街で見かけた黒塗りの車から出てきた人やあおり運転のような、もしかしたら人生で一度くらいはすれ違うかもしれないという嫌なリアリティがある。
主人公は一族から虐げられて、この世の中を憎悪している。
中国アニメにしては珍しい体育会系見た目である。たぶんサッカー部。
原作とアニメではかなり性格が違うようだけれども、徐々に原作寄りの性格になっていっているらしい。
魔道指数★★★★★★★★
正道も魔道も出世争いや上下関係などの人間関係に苦労しているのが窺える。変なところでリアリティを出さないで……
魔道側の人たちは街で買い物をするという発想すらなさそう。
このアニメはデザインの禍々しさ、特に二期以降が最高である。
中国らしい要素に仏教要素も加わって、正道側がシンプルなのに対して、魔道側は過剰ともいえるほど装飾的なデザインのキャラもいる。
なぜか裸足が多いのもポイントが高い。実際に見てもらった方が分かるだろう。

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このPVの最初に出てくる金髪の青年「閻」は、魔道側の竜が人の姿になったキャラクターで、作中の男性キャラでは数少ない*3主人公に対して親切にしてくれる人なんだけど、すごく気楽に魔道側に誘ってくるよ!
二期以降に登場するちょっと審査に引っかかりそうなキャラクターたちはPVなどには一切登場せず、有料会員だけしか見られないようになっている。
今だけ一期を途中まで無料で配信している。ただし、一期はちょっとイマイチな出来だ。二期はとても面白い。

 

他にも人気の仙侠物原作のアニメはあるのだけれども、源流に近い基本かつ正統派の作品を知らなければ、それを受けて発展した作品は半分くらいしか楽しめないと思う。ぜひこれらの作品を見て仙侠物のあるあるを感じ取ってね。

*1:ヒロインのお兄ちゃんが、妹を荒んだ世界から守ってくれていたので、あんな世界観なのにスレたところがないの

*2:奪舎という

*3:といっても、今のところ閻さんしかいない。ヒロインをストーカーしている男が一応ちょっとだけ親切